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まず、1・2年生による秋の新人大会となる秋季大会は、9ブロック内の大会にとどめ、県大会を行わないところに特徴をもっている。また、後の強化練習会につなげる人材発掘の大会でもある。
冬季スキー大会は、毎年1月に箱館山や伊吹山を利用して行っている。昭和23年からの歴史を持ち、全国予選を兼ねる大会として、実は、今日も箱館山にて熱戦が操り広げられているところです。
春季大会は、オープン参加を建て前とする大会で、県下の広い地域の学校との対戦が可能になっているところに特徴を持たせている、また、生徒数で大規模校・小規模校の2部に分け、学校対抗総合優勝を賭ける大会としての特徴もある。
そして、仕上げの大会となる夏季大会は49回の伝統があり、一般や高校を含めた県民体育大会の中学生の部も兼ねている。また、近畿・全国大会へつながるものとして最大級であり、特に、県下9ブロックの予選を勝ち抜いて、県大会に出場権を得る大会としての特徴がある。また、春季大会とは違い、学校規模に関わらず、学校対抗総合優勝を競う大会としての特徴も持っている。
このように、一年を通して3つの総合大会を色分けして特徴を持たせることにより、選手の意欲向上や、競技力の計画的な成績向上に役立てているといえる。そして、47回の伝統ある大会として忘れてならないのが、駅伝競走大会があげられる。昭和58年からは女子の部も開設され、すでに13回を迎えている。また、喜ばしいことに、来年度からは、本県希望ヶ丘文化公園にて『全国中学校駅伝大会』が開催されることとなった。現在、準備・運営に県をあげて努力しているところです。

2、競技力向上対策について

本県の競技力向上対策について述べる。中心的な柱としては、直接的な選手の練習強化活動の充実と競技成績の向上を目指す対策事業がある。一方、多様な関わりが支えるもう一つの柱として、組織の充実強化が考えられる。
競技力向上を図る選手強化には、3つの強化策がある。中央合同強化は、秋の大会を受けて、全県的に上位チームや、有望選手を集め年間を通して計画的に競技力の向上をはかる。
また、地域合同強化練習として、ブロック単位を基本とする底辺拡大強化練習会を行っている。優秀校強化は、近畿・全国大会への出場を予想される団体及び個人を中心に優秀校が選考され、合宿練習や遠征試合が行われる。この二つの強化については、県下20競技すべての専門部で実施されている。三つ目の推進校強化は、中高連携のもとに、長期的に競技力の向上を図ると共に、特色ある学校作りの一つの柱として位置づけ、学校の活性化に生かすなど、相乗効果も期待できる事業として、8競技10校が選ばれている。強化につながる組織強化については、紀要43ぺージに指導者の育成を中心にAからDの4つを明示。本県の特徴として部活動が学校教育活動にしっかりと位置づけられ、ウィークデー開催が実現していることに加えて、各種大会生徒派遣費の補助が定着しており、保護者負担の軽減を図り、生徒が心おきなく大会に参加できる素地が培われている。
県大会までの大会は、各市町村公費でまかなわれ、近畿・全国大会については、県の補助金と市町村で50%ずつ補助していただいている。
また、組織の充実強化の点では、中体連の要である事務局組織と運営が確立されることも大きな要素で、平成3年度には、理事長は、県教委保健体育課指導主事格として、県教委に籍を置く。今年度はさらに、県教育委員会保健体育課内に事務局長の配置をいただき、県教委との直接の指導援助や関わりを得て、安定し、充実した活動が展開できるようになった。一方、こうした事業や強化には財政的な保証もなくてはならない。全国的に観る生徒数の減少や緊縮財政の折り、本県においても厳しいことに変わりない。本県の場合、財源の基盤は、あくまで会費収入である。つまり、自主財源を持たずして県補助金増額・確保、そして、事業展開はありえない。しかしながら、部活動に対する各方面の理解は、長く積み上げてこられた先輩諸氏のおかげで非常にありがたいものがある。たとえば、大会開催における会場費の減免扱いもそのひとつである。また、市町村の教育予算から支出される会費においても、平成7年度からは、学校割という項目を加え値上げの理解を得ることができた。

 

 

 

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